Archive for 10月 20th, 2005
近所のラーメン屋
腹が減ったので、近所のラーメン屋へ入った。
この店で食べるのは初めてだ。
夕飯時だというのに、店内にはおじさん(店主)と客一人だけ。かなり閑散としている。
おじさんは私に気づいている(はず)なのだが、ラーメン作りに夢中。
「いらっしゃいませ!どうぞこちらへ。」
といった誘導を期待していたのですが、軽く肩透かしを食らう。
店はカウンター席が15席ほど。テーブル席は無い。
入り口近くの席に座り、おじさんに醤油ラーメンを告げる。
おじさんは「醤油ラーメンですね。」とつぶやくが、なんか弱々しい。
パッと見、人の良さそうなおじさんですが、いまいち元気が足りない。
このラーメン店、昨年までコンビニが入っていた場所に作られた。
店内は綺麗に改装され、元のコンビニの面影は無い。
お水はセルフサービス。
冷水機は見た感じ新しい機械で、コップを差し出すと
氷と水がいっぺんに出てくる。
いかにも「業務用の高価な冷水機」である。
5分後、醤油ラーメンが登場。
思ったより待ちました。
さっそく、いただきまーすと、
箸をつけようとすると、店主が
「あ、チャーシュー忘れた。」
と言い出した。
おじさんは小さい鍋から豚の角煮みたいなチャーシューを取り出し、ラーメンの上に乗せた。
僕はおっちょこちょいだな~と笑っていたが、何か違和感を感じる。
ラーメンを一口食べる。
すると、さっきの違和感が確信へと変わった。
このおじさん・・・素人だ。
いや、正確に言えば、
このおじさんはラーメン店で修行を積んでいない。
つまり、『家庭で作ったラーメン』レベルの味なのである。
スープ、麺、チャーシューに至るまで、どれも物足りない。
不味くは無いのだが、ダシが効いてないのである。
僕が店に入ったときの挨拶や、チャーシューの入れ忘れといい、
やはり、おじさんは素人なんだろうかと思う。
それにしても、改装された綺麗な店内と新しい冷水機を見ると、
一体、どれだけの費用が掛かったのか想像もつかない。
食器は全て店の名が入ったオリジナル。
結構な初期費用が掛かったはずである。
ラーメンを食べ終え、店を出る。
「ありがとうございました。」と、か細い声。
ああ、大丈夫なんだろうか、このおじさん。
今まで何度も店の前を通ったが、繁盛している様子は全く無い。
さらに、近所には人気のラーメン屋が2店もある。
オープンから半年。
ライバルは多いはずなのに、よく潰れなかったなと思う。
僕の七不思議の一つに、近所のラーメン屋が加わった。